何度言っても言い足りない。



喧 嘩 上 等 十 課 題



履き潰して踵がボロボロ、しかも一回も洗ってないからすごく汚い上履きでぺたぺたと休み時間中の廊下
を歩く。現在は2時間目の前の休み時間で、俺は遅刻者。むしろ重役出勤?
だって女の子が離してくれなかったんだもん、って言うのは嘘で天パに苦戦していただけだけれど。
コノ階の一番端っこにある自分のクラスに着くと勢いよく扉を開ける。今日もいい感じにクラス崩壊のまっ
ただなかだ。ゴリラ(女)はゴリラ(男)を殴り飛ばすわ、腹黒は酢昆布とやりあってるわ、なんかよく分から
ない生物が闊歩しているわ。
そのなかで光り輝く俺の癒し。
窓際の一番前。

「今日もひときわエロいねハニー」
「今日もひときわ鼻につくぜ愚民」
「………そこはダーリンでしょ!!」
「あーもう、お前死ねよ」

ひどい!と泣きまねすると、マジうぜー。とそっぽを向いてしまう黒髪の彼は俺の高1の時からの想い人で
す。俺が生徒会長に就任するよりちょっとばかし前、風紀委員になった男の子。まあ俺の中でも色々あっ
て惚れてしまったわけで毎日のように求愛活動を送っているものの、俺の不純交際暦とちゃらんぽらんな
印象のため全然信じてもらえていません。
でも実は、3年に上がってちょっと焦り始めた俺は今までの女やら男やらをかたっぱしから切っている。そ
のことに彼はまったく気がついていない。

「好きだよ、おーぐしくん」
「聞き飽きたんだよ単細胞。てか多串ってだれだコラァ!」
「俺はコレを1日に絶対10回言うってきめてんの」
「10回?」
「そう、11回からは愛してる、で」
「しね」

つれなぁい!と気持ち悪い声を出しながら机に縋り付くと、ヤメロと押しやられた。
実はものすごくこう言う時間が大切だと、どう言ったら彼に伝わるのか。
自慢じゃないが、って言う自慢だけど、俺はそれなりに頭も良いし器量よしだと思う。スポーツだって出来
るし、なんだかんだで1年時から生徒会長なんてのもやってる。ヤル気を発揮する幅がものすごく狭くて狭
くてどうしようもないだけで、やらなきゃいけないときはちゃんとやる。
ルーズなのは生活態度と時間と下半身というか。
まあ、約1名……土方君の前限定でルーズな部分は総カバーしているつもり。……俺の悪友共がその約
1名にバシバシばらしていると言う事実が彼の中の俺の評価をがっつり下げている気がする。

「あーーもう!!」
「……なんだっ?!」

自分の思考にどっぷり浸かって振り払うために大声を出したらびっくりさせてしまった。
あーもう、可愛いなぁ。

「耳穴かっぽじってよぉく聞けよ!」
「垢しか出ねぇーぞ」
p 「そんな土方君愛せない!!」「ほほう」
「……なんて言うと思ったか!!俺が耳掃除してあげるよハニー!!」
「キモい!!」
「好き好き好き好き好き好き好き好き好き」
「…はぁ?」

よし、これで好きって10回言った。
床に膝を着いて机に座っている土方と目線を合わせていた俺は、立ち上がって土方の小さい顔を両手で
包んだ。
深呼吸を一回して、

「あいしてるよ」

「…………っ!!!!」

めちゃくちゃ笑顔で言ってやると、みるみる顔が赤くなる。

「ば、ば、ば、」
「ば?」
「バカ!死ね!!学校でなんつーことを!!」
「学校じゃなきゃいいんですか!!そうなんですね!!」
「敬語キモい!!」
「ひどい!!」






じつは凄く真面目に告白すると、めちゃくちゃ赤くなる。
そう言うあいつを見ていると、実は思いが伝わっているんじゃないかと思う。
まあ、人の数倍鈍感なあいつは俺の告白をいつも冗談だと思っているみたいだけれど。

男、坂田銀時17歳。もうすぐ18歳。

死ぬ気で堕として見せます!





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ああ、まさに駄文。すいません(泣)
2 「耳穴かっぽじってよぉく聞けよ!」「垢しか出ねぇーぞ」でした。

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