*八土で嫉妬話?噂の彼女が登場です。*
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君だけが必要なんだ。


「誤解だって」
「………」
「ほんとに。誤解だってば!」
「………」

腕を掴んでも振り払われ、何度声を掛けてもシカトされ続け。
ズンズン進んでいく君。追いかける俺。人気の無くなった校舎内で一体俺たちはいつまでこんなこと
続けるおつもりでしょうか、トシ君。
何度目か分からない溜息をついて、何が原因かしっかりと思い出す。
そう、絶対に原因はアイツ。

S組 猿飛あやめ、通称さっちゃん。

最近しつこいんだよね。
『先生大好き』っていうオーラがガンガン滲み出てくる女の子。何が発端でこうなったのかは俺は全
然検討がつきませんが。
トシと俺が付き合い始めてから何だかエスカレートしたようなしていないような。
気づかれる様なヘマはしていないはずだから、多分卒業間近で焦っている、って感じかなとか踏ん
でいますが。それにしても、さっきのアレは根性ありすぎだと思うけどね。
いっちょ前に大人の女みたいな抱きつきかたして、頑張って俺を口説いてきたけど。
俺がそんな挑発乗るわけ無いじゃん、マイハニー。
見られてしまったのは坂田先生最大の失敗だと思うね。

「俺にはトシだけ」

「そう簡単に手放すつもりは全然ないの」

「女が良いとか、男がいいとかじゃなくてトシがいいの」

「ねえ、こっち向いてよ」

「言ってくれなきゃ分からない」

だって、お前のことになるとてんで弱くなってしまうんだ。
いつも適当に踏み出せる一歩がまったく踏み出せなくなって、マイナス面ばっかり追うようになって、
それでも愛してるって全身全霊で叫んでる。声にはまったく出ないんだけどね。

ねえ、ホントにこっち向いて。そろそろ本気で俺も焦るって!!

ぐい!っと無理やりこっちを向かせると俯いて床ばかり見るトシの旋毛が見えた。

ポタ、

ポタ。

床に落ちる雫に目を見開いて、なんだかいてもたってもいられなくて抱き締めた。
無駄な抵抗は一切無かったけれど、しがみ付いてくる背中に回された手に何も言わないトシの気持ちを
感じた。

「ね、信じてよ」
「………っ」
「不安にさせて、ゴメンネ?」
「…………ふ、え」
「妬いてくれて、ありがとう」
「…………うぅ〜…!!」

耳を真っ赤にして照れてるこの子に可愛いな、とか惚気ながら。
頬に、額に、瞳に、唇に、口付けを落とした。






「バレバレなのよ…!!」
「さっちゃん、涙と鼻水拭いて…。ま、銀さんもトシ君も幸せそうで何よりじゃない」
「アタシの恋がぁぁ…!」
「あたし的には皆のトシ君がぁぁ、かしらね」
「女よりキレイな彼氏出来たら勝ち目無いじゃない!」
「……はいはい」

今回哀れな失恋さっちゃん、およびZ組の頭、お妙でした


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*銀土です爽やかに死ねたです*

「花、供えにきてたんですかぃ……」
「まあね」

こじんまりとした墓標に花が供えられている。それは真っ白な花で、
ここで眠る彼を象徴するような花だった。

君が、俺をおいて先に逝ってからもう結構な月日がたつんだ。
真撰組は沖田が副長になって、かなり大きな組織になったよ。
アイツが、かぁなぁり真面目に仕事しちゃってんだぜ?

「供えたら消えてくだせぇ」
「ぜってえ嫌」

ちっ、とか大げさな舌打ちが聞こえて思わず苦笑い。
あ?俺?俺はいつもどうり、何にもかわっちゃいないさ。
少しは変われって?ソレは無理な相談だなぁ。
俺はずうっとあの時のまま。君を愛してるときの俺のままさね。
ねえ、トシ。
俺はきっとこのまま君を愛し続けて。きっともう恋はしない。
ソレくらい許してくれるでしょ?お前の後を追わなかっただけでも快挙だよ?
だからさ、
俺の死に目には迎えに来てよ?
これ、墓参りに来るたび言ってる気がするけどね。
それじゃあまた、お彼岸に。

「また来るぜ、トシ」
「もう来ないでくだせぇ」

こんな俺たちのやり取りを、近くでみて笑ってるきがすんのは、気のせいじゃないだろう?
なあ、トシ?

「愛してるぜ〜」

『俺もだよ』

吹いた風の中に、君が居た気がした。





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